简介
西暦2019年、秋、東京。
震災による首都の移転に伴い、都市は自身の増殖を止めている。
退くことも進むこともせず、ただ無気力に横たわる街並。
10年近く前に廃棄された巨大高層ビルもまた、
今ではそんな風景のひとつに過ぎなかった。
高さ150メートル有余の無人建造物。
その特異な存在感に誘われるようにして、8人の男女は出会った。
天と、地と、その狭間で、彼らは互いを見つめ、自らを見つめる。
そしていつしか、ここでの時間は日常へと変わっていった。
…けれど、彼ら(彼女ら)は知らないでいた。
ビルの取り壊し、その日取りが、刻々と近づいてきている、そのことを…。
意味をなくしたものは
一体何処へ向かえばよいのだろう?