简介
ここではない世界のどこか遠い遠い東の国に、
一人の美しい少女がおりました。
少女には作家の兄がおり、
いつも新作のお話を聞かせてもらうことを楽しみにしていました。
「今度の物語は、孤独な死神を主人公にしようと思っているんだ」
兄が語った今はまだ読むことが叶わぬ物語。
それは、死神と少女が蒼色の空の下で出会い、
世界で一番美しい言葉を探す旅に出るというものでした。
少女は、いつかその物語が完成することを楽しみに願っていました。
そんなある日のことでした。
蒼色の空の下、時が止まったままの時計塔を見上げている少女に、
一人の青年が声をかけてきたのです。
振り向く少女の瞳に写るのは、薄い金の髪、そして空と同じ色をした瞳。
不思議な容貌をした青年は、記憶を失っていました。
青年がただ一つ覚えていること、それは自分が死神であるということ――。
これは、死神と少女の物語。